外国人材に何を求めるか

Updated: Jun 22


人間の欲望は尽きないと言われますが、経営者にとって社員の成長もまた「ここまで成長してくれたら十分」という限度はなく、限りなく成長していって欲しいわけです。


それではどう成長していってほしいかというと「言われたことを期待通りにきっちりとこなせる」ところから始まって、徐々に「言われなくても自分で考えて会社にとって良い方向に向けて行動できるように」なってほしいわけです。


弊社が外国人材を紹介し、定着化面談を行っているあるメーカーの社長は、若手日本人社員に主体性が欠けていることに問題意識を持たれていました。 弊社としては日本にやってきた外国人材の人生と仕事に対する主体性、積極性が日本企業の内部の活性化にもつながることを期待して外国人材を紹介していますが、このメーカーでもそういった“覚醒作用”を期待してネパール人、中国人、インド人、アメリカ人、ベトナム人、バングラデシュ人などを採用されてきています。


弊社が昨年このメーカーに紹介したアメリカ人は、陽気で自己主張が強いといった日本人がアメリカ人に持つイメージとは異なり、穏やかで謙虚な日本的たたずまいのある彼でした。 ただ、当方から見ても十分に主体性があり、勤勉で、職場に一生懸命馴染んでいこうと努力しており、もちろん紹介した贔屓目はありますが好感の持てる良い人材と思っております。 ところがこのメーカーの社長にとっては「物足りなさ」が目立つようです。


どこで「物足りなさ」を感じるかというと、折々にこの社長が職場内を巡回する際に見かける彼の様子が、「自分で考えずに周囲に尋ねたり、確認したりしている」傾向が強いためだそうです。


日本語が完ぺきではなく、まだ入社して一年経っていないアメリカ人の彼にとっては採用して頂いた会社のやり方や方針をまず謙虚に学んでミスの無いように進めたいと考える姿勢がつい機械的な仕事の進め方になってしまっているのではと思います。


日本企業の経営者は一般的に社員に対し事前に任せる仕事の意義や狙い、目的、期待といったものを具体的に説明することはしませんが、アメリカなどでは職務記述書(job description)で役割や責任を事前に明確に定義しがちで、社員はその定義の範囲内の仕事に集中するわけです。日本ではそういった境界線を設けず、同僚や先輩、他のセクションの方とのコミュニケーションを通じ色々と気づきを得たり応用したりという過程を経て「成長」につなげていくことが経営者からは期待されていると思います。 


ただ、日々の業務に追われているとなかなかそういった境界線を越えた働きかけは難しいですね。 この点、米国等での社員の「成長」は業務外研修(いわゆるOff-JT)を通じて行われるケースが主だと思います。

日本でも大手企業では入社年次や役職に応じた形のOff-JT研修があり、他部門の同期入社社員と情報交換をする機会を通じて互いの「成長度」に気づくわけですが、その「成長源」はというとまだ現場重視が強いのではないでしょうか?  


弊社での外国人材定着のための面談カウンセリングでは専ら外国人材側の異文化コミュニケーション上の悩みを聞いたうえで日本企業と経営者の典型的な考え方や論理、言外の期待や不満といったものを解説することが多いのですが、冒頭のメーカーの社長とのやりとりは、経営者の方々に対しても外国人材の出身国の文化に基づき、事前に明確に期待値を伝えたり、必要な研修を行ったりすることをもっと勧めるべきと改めて感じる機会となりました。

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