外国人材を活用した海外展開の試み⑥
Updated: Oct 14, 2020

貿易実務
上述の交渉を経て合意に達し、商品や製品を輸出することとなった場合、契約内容を着実に履行していくことが海外取引での信用となります。 その点を外国人材にもはっきりと理解させ、輸出実務を適切な指導員の下でOJTとして習得させ、担当者に育てます。
出荷件数が増していく場合には台帳を用意させ、納期管理、出荷管理、入出金管理を担当させることで主体的に管理していく態度を身に着けてもらいます。
前出のK社のベトナム人材は輸出の出荷手配や輸入の通関・納品手配を乙仲と行うといった実務も担当しています。
生産部門、技術部門、品証部門配属の場合
バブル崩壊後も日本企業が海外で競争力を保ち続けているのが「ものつくり」におけるこだわりの部分であり、性能や精度、品質といった部分にその差別化が現れやすいものです。
ドイツやイタリアのものつくりも職人芸に象徴されるこだわりが随所にみられますが、彼らの中堅・中小企業の輸出比率は日本の比ではないほど高いです。 その理由の1つに英語で積極的に自らの長所・強みを発信し、売り込んでいる点があげられます。特にドイツは展示会が多く、そこで海外のバイヤーに積極的にアピールしています。もちろんウェブサイトやSNSも同様です。
外国人材が生産部門、技術部門、品証部門といったその会社のコアな競争力をもたらす部門に配属されたなら、日常業務に慣れさせるだけでなく、その部門が担う会社の競争力をしっかりと学ばせ、把握させたうえで英語や母国語でそれをパンフレットやウェブサイト、そして展示会での来訪者に的確に説明できるようにさせることが大切です。
栃木県のフィルターメーカーのV社はメキシコ系アメリカ人を採用していますが、彼は母国語の英語はもとよりスペイン語も話せることから同社の日本語のパンフレットの英語訳とスペイン語訳を率先的にこなしてくれています。