日本(人)論と自然体(ありのまま)の日本

Updated: May 14


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誰でも自分は特別だと思いたいですし、自分の国を良く思われたいと感じる傾向は少なからずあるのではと思います。


日本人も例外ではないと思いますが、『ハーバードの日本人論』(中公新書ラクレ出版)の著者の佐藤智恵さん曰く「日本人ほど「日本人論」が好きな国民はいない」そうです。


「日本が、日本人が海外でどのように見られ、評価されているか」、「日本と海外(特に西洋)はどう異なるか」、を気にする人が多いということでしょう。


欧米と比べた遅れを認識した江戸末期から明治、或いは敗戦後の復興期は「欧米に追い付き、追い越せ」の意識が強かったと思います。一種の劣等感をばねに頑張ろうとしたわけですね。


一方、1970年代、80年代と高度成長を遂げた日本に対する世界からの注目度は高く、ハーバード大学のエゾラ・ボーゲル教授が『Japan As No.1』と著書で表現したり、「日本の奇跡」と呼ばれる状況が1990年代初頭のバブル崩壊まで続いたりしたことを覚えている世代はまだ多いため、「見られている感」が残っているのかもしれません。


その意味ではバブル崩壊後、ジャパンパッシングと言われるほど世界の日本経済に対する注目が失せた今、「世界の目」を気にする必要もないのではとも思うのですが、そうもいかないようです。


ただ、こうした日本人の「国意識」や「世界の目」への意識というのが専ら海外の政治家やメディア、有識者による評判や認識に対するものであるのに対し、単に日本に興味を持って訪日する“普通の”外国人の多くが「自然体(ありのまま)の日本」に興味を持っています。 それは日本人が長年紡いできた「文化」であり「習慣」です。 外国人が日本の文化・習慣を見て、聴いて、食べて、体験して、自国の文化・習慣との違いを知ることで自分や自分の国に気づくということが彼らの人生を豊かにしてくれるのであろうと思います。 従い、彼らは欧米的になろうとする日本ではなく、ありのままの日本が好きということのようです。


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同様に、日本国内で勤務先や学校などにたまたま外国人がいて、彼らと日々交流していく中で、日本人との共通点や異なる点(文化・習慣)を“鏡”として日本の文化・習慣に改めて気づくことも我々の気持ちを豊かにしてくれると思います。日本人だけの社会だと“無常”を感じにくく、当然と思うことが淡々と流れて気づくこともないからです。


「日本人論の危険なあやまちー文化ステレオタイプの誘惑と罠」(ディスカヴァー携書出版)では著者の高野陽太郎東京大学名誉教授が「日本人は集団主義でアメリカ人は個人主義」というイメージはアメリカ人の日本人に対するステレオタイプで科学的な有意な違いはないことを記されています。戦前、戦中の日本に対するアメリカ人指導層が持った違和感、異質観、敵意を象徴するべく単純化された「日本人の集団主義」という表現は、時の学者や政治家に好都合のレトリックとなり、戦後も80年代後半から90年代にかけての貿易摩擦において、科学的或いは論理的根拠のない「日本異質論」を支えるキーワードとなっていたことを著者は記しています。 日本異質論を展開する有識者に限って、日常で日本人と交流することはなく、想像・空想の世界で自らの主張に都合よく「日本人の集団主義」論を展開したと主張しています。


我々日本人の方も居酒屋での議論等で、メートルが上がってくると「だから日本(人)はxxxなんだ!」、「だからあの国はxxxなんだ!」といった優劣の表現が出てきがちです。ひとつの出来事を単純化したり拡大解釈したりして「日本(人)論」や「嫌( )国論」に繋げる話を耳にすることもあるのではないでしょうか。ステレオタイプに潜む優劣意識、差別感、偏見といったものに気づく必要があると前述の著者も警鐘を鳴らしています。

より多くの“生の”外国人と自然体で付き合い、お互いの共通点や互いの異なる長所に気づくことが相互のステレオタイプを解消していくことになるのではと感じます。

特に日本のことが好きで、日本の文化に魅力を感じて来ている外国人材は共通の感性を持っているでしょうから、海外に対する「日本論」的な高飛車な意識で接するのではなく、ありのままの日本を感じてもらい、自然体で付き合っていけるとよいですね。

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