異文化の良さー外国人材から気づく日本の価値と異なることの大切さ④
Updated: Nov 26, 2020

先輩の成功例
長年、途上国の政府と直接契約を取り交わし、地方での若者を選抜して技能実習生として日本で受け入れてきた公益財団法人国際人材育成機構(略称アイムジャパン)のストーリーはまさにジャパンドリームと感じる。というのも3年乃至5年日本で実習生として就労したのちに母国に戻り、日本で学んだことや日本との関係を生かして起業する「経営者」が多く輩出されているからである。
個人事業主的な規模の会社もあるが、中には従業員数百名の早々たる規模に成長している会社もある。 タイの「アイム・ジャパン帰国実習生社長の会」会長は「日本で身に着けたもので役立っていると感じること」について次のように応えている。
「やはり、日本文化と日本企業の習慣が学べたことだと思います。例えば、お客さんから突然無理な注文や依頼が入った場合、タイ人であれば、その場で断るケースがほとんどでしょう。しかし日本人は、すぐには断らず、何とかならないか考えようとする。無理な依頼でも一度持ち帰り、検討し、最終的に何とかしてしまうのが日本人のスタイルですよね。いわゆる、一度できたつながりを大切にし、そのつながりをできるだけ保とうとする。この習慣こそが日本にあってタイにないものだと思います。日本で得たこの知識は、今の自分の仕事においても大いに役立っていると思います」
こういった「実習生」を育てた日本企業の経営者は彼らを誇りに思うだけでなく、互いの関係を生かして海外取引ができることは言うまでもない。