異文化理解力 エリン・メイヤー(英治出版)から⑥

Updated: Dec 15, 2020



意思決定 アメリカ人とドイツ人の違い

「団結すれば立ち、分裂すれば倒れる」というのがアメリカに強固な価値観で、すぐさま決断を支持すれば、効率性も高まり、それによって繁栄がもたらされるという心情を現わしている。


アメリカは平等的合意形成の型を逸脱し、平等主義的な精神を持ちながらトップダウン式の意思決定へのアプローチをする。一人の人間がー主に責任者がーグループ全体を代表してすばやく決断を下すのである。それゆえに、アメリカは階層主義的というよりはトップダウン式である。ドイツやスウェーデンといった国に比べて、ひとりが素早く決断を下して全員でそれに従うという価値に重きが置かれているのだ。そしてその「ひとり」とは上司であることが多い。逆に、アメリカとは違った形で型を逸脱する文化もいくつかある。ドイツのような国では、合意に基づく意思決定を行うため、グループ内でフィードバックが求められ合意形成に長い時間を費やすが、それが階層主知的なシステムに組み込まれている。


アメリカの開拓者たちは、その多くが母国の確固たる階層主義的構造から逃れてきたものたちで、スピードと個人主義に大きな比重を置いていた。アメリカの平野の西を目指す開拓者としての成功は誰よりも早くついて懸命に働くことが何より重要で、そのうえで大切なスピードを追求する過程でのある程度の失敗はやむを得ないと考えられるかどうかにかかっていた。当然の帰結として、アメリカ人はスピードが落ちるだけだとして長すぎる議論を嫌うようになり、たとえ不十分な情報に基づくものであっても、リーダーか投票によって素早く決断を下すのを好むようになった。 中略 決断はいつでも修正できると言う考えの下、個人が素早く決断することを重視する風潮はいまでも国民的文化として色濃く残っている。

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