異文化理解力 エリン・メイヤー(英治出版)から⑪
Updated: Dec 15, 2020

反論を述べる前のテクニック
「悪魔の代弁者(devil’s advocate)の役をするよ。どちらの面からも検討するためにね」と断りを入れる。
時間に対する感性
フランスや北イタリアの感覚では6-7分の遅れは「まあ時間通り」の範囲内。中東、アフリカ、インド、南米では30分くらいの遅れも受け入れる。
中国の文化では、時間に正確であることが美徳とされていて、ミーティングに遅れる場合はしっかりと謝る必要がある。ただ、中国人と日本人の時間に対する認識が似ているのはここまでだ。日本人は非常にしっかりと計画を立てる。彼らは柔軟というよりは明らかに組織化されている。中国では、事前の計画がないまま、あらゆることがその場で起きる。中国人は柔軟性の際たる人々だ。明日や来週のことは考えず、今ここのことを考える文化だ。
スケジューリングのシステムについて事前にしっかりと話し合いを持てば、やがて生じる不満を和らげることができる。同意した事項を言語化すると、グループのメンバーたちは各自が親しんだ自国の方法ではなく、その「チームの」文化に従うようになる。チームのスタイルが確立されたら、リーダーはグループの同意を強固なものにし、年に二回は時間を取って決定事項を振り返り、必要とあらば改善を行っていかなければならない。