マレーシア人による日本語、英語、中国語のビジネスコミュニケーション
Updated: May 19, 2020
人材:マレーシア人20代の女性・早稲田大学卒・言語力を生かせる仕事をしている

Cさんは中華系マレーシア人の女性である。
マレーシアで音楽関係の学校を出てから早稲田大学国際教養学部に留学、昨年3月に卒業してから少し間を空けて同10月に当社に入社してくれた。
中華系マレーシア人のコミュニティでは大学生になると地理的に近いオーストラリアに留学させるご家庭が多いという。
ただ、昨今は授業料の高騰や、1980年代に「ルックイースト政策」を進めたマハティール首相が92歳でまた首相に返り咲いたといったこともあり日本留学のプライオリティが上がっているようである。
もともと日本文学に興味があり、原文(日本語)のまま小説などを読みたいという夢を持っていたCさんにとっては、日本留学は悪い選択ではなかったようである。
読書と手芸という女性的な趣味とは別に、学生時代には津軽三味線クラブに入り演奏をしていたというアクティブな面もある。

入社した後の活動
Cさんは入社後、1つ1つお客様と業務を覚えていき、慌てず、騒がず、淡々とマイペースで仕事をこなしてくれていた。
徐々に彼女らしさが出てきたのが持ち前の語学力を発揮できる仕事からである。
中華系のご家庭なので自宅では中国語で会話をするものの、学校や友人とのコミュニケーションは英語で、彼女にとっては英語が最もストレスなく自己表現できるという。
他に、もちろん日本語、マレー語、そしてマンダリンの計5か国語を流暢にこなす。
語学力を生かした最初の場面は英語を話さない台湾人技術者とお客様との間の通訳であった。

入社早々で、商品知識やお客様に関する知識すら乏しい状況で、ぶっつけ本番で対応してもらったがお客様には満足頂いたようである。
その後、日本のお客様のドイツのサプライヤーに対する質問やリクエストを英語に倒して伝え、その回答を英語から日本語にしてお伝えする頻繁なやりとりに介在するようになってから真骨頂を発揮し出した。
実は彼女が入社する前は私が同じことをやっていた。
私としては、用件のポイント(目的、期待値等)のみを手短に誤解なく伝えることがビジネスコレポンの要諦であると教育されていたこともあり日本語であれ、英語であれ我ながら素っ気のない内容であった。
それがCさんの場合は、挨拶や季節の事項や、時に絵文字も交え内容がカラフルであり、ドイツ人の方も日本人の方も彼女とのコレポンのやりとりに彩(いろどり)や楽しみを感じているように見える。
また、外国人材との面談での司会やインタビュー内容、その結果のメモの作成なども、それが英語であれ日本語であれ、とてもスムースにこなしてくれる。
どうも様々な言語の間にブリッジをかけることや、文章を書くこと自身に大いなるモチベーションを感じてくれているようである。